【2024・令和6年】新規事業やDX、グリーン投資を後押しする事業再構築補助金(最大1億円)
2020〜2022年は新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、中小企業にとって厳しい一年となりました。
2023年度も様々な補助金が予算案として盛り込まれており、このコラムでは、『事業再構築補助金』の概要をピックアップします。
事業再構築補助金とは、新型コロナウイルスなどによって影響を受けた中小企業等が、事業再構築を図るための費用の一部を補助する制度です。2023年度(令和5年度)においても事業再構築補助金は継続されることが決定されています。また、2022年11月下旬に2023年度の事業再構築補助金の方針が公表されています。
個人事業主や創業間もないスタートアップ、ベンチャーなども利用できる新規事業の立ち上げや業態転換、DXをなどの新しいビジネスモデルの創出を後押しする事業再構築補助金を紹介していきます。
最新の補助金は、こちらから検索ください。
多くの企業がDX(Digital Transformation)の取り組みを進めることで業務の
◯ DXを進めたいが社内調整がうまくいかない
◯ どのようにDXを始めればいいか迷ってしまう
◯ バックオフィスをより効率的なチームにしたい
このようなお悩みを抱えた経営者やDX推進や情報システムの担当者など、
そうした中で、企業のDXやM&Aを含む事業再編などを支援するのが『事業再構築補助金』です。
『事業再構築補助金』は、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための企業の思い切った事業再構築を支援するものです。
事業再構築補助金は、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大などを行う中小企業等を対象としています。令和5年度も引き続き実施されます。
補助対象者は、日本国内に本社を有するスタートアップ、ベンチャーを含む中小企業者等及び中堅企業等に限ります。
飲食店でイートイン方式だったものをテイクアウト方式にするなどの変化や、ドローンなど新しい技術を導入したビジネスモデルに転換するような事業内容そのものの大きな転換など新しいアイデアを形にする場合も活用できそうです。
▼小規模事業者持続化補助金にご応募されていない事業者様はこちらも合わせてご確認ください。
【2024・令和6年】最大250万円!? 小規模事業者持続化補助金 (賃金引上げ / 後継者支援 / 創業 / 卒業 / インボイス )とは?
公募スケジュール
令和5年度の申請は第11回(公募期間:令和5年8月10日(木) ~ 令和5年10月6日(金)18:00まで)で終わっております。2024年(令和6年度の)募集開始を待ちましょう。事業再構築補助金事務局では、第10回公募の補助金交付候補者として採択された方を対象にした説明会を令和5年9月25日以降、複数回開催いたします。本説明会は補助金交付候補者として採択された事業者の参加が義務であり、説明会に参加していただかないと交付申請を受け付けません。第10回公募 補助金交付候補者として採択された方向けオンライン説明会は、11月29日(水)が最終となります。
第10回以降に設置された”成長枠”に申請するためには、補助事業として取り組む事業が、過去〜今後のいずれか10年間で、市場規模(製造品出荷額、売上高等)が10%以上拡大する業種・業態に属する必要があります。成長枠対象リスト
第11回の主な変更点は以下になります。
①第11回公募ではサプライチェーン強靱化枠の公募がありません。
こちらは事前に公募回数が少ない旨が発表されていましたので既定路線の印象です。第12回で復活の可能性はありますがまだ確定ではありませんので続報をお待ちください。
②認定支援機関の文言が追加
「複数の事業類型に同時に申請をする場合や、補助率引上げを受ける場合は、すべての補助金額を合算して3,000万円を超える案件において、金融機関による事業計画の確認が必要となります。」と記載されていますので、複数の事業類型に申請した合計が3,000万円を超えた場合は金融機関による事業計画の確認が必要となります。
③みなし同一法人の補助対象外の追加
「補助事業者が、補助事業期間中に、親会社又は子会社等が過去に交付決定を受けているみなし同一法人に該当することとなった場合は、当該補助事業者の交付決定を取り消します。」と記載されました。みなし同一法人での申請はご注意ください
④事業承継の対象外事業
「以下に該当する場合には、補助金交付候補者として不採択又は交付取消となります。本事業に補助金交付候補者として採択された場合であっても、交付審査において以下に該当すると判明した場合には、採択取消となりますでご注意ください。事業承継を行った上で事業を実施する場合に、承継以前の各事業者が既に実施している事業を実施するなど、再構築事業の内容が、容易に実施可能である事業」
※公募開始日時点で、事業承継が確定している場合、両者は 2020年4月の時点から一体の事業者とみなし、事業承継先・事業承継元の双方の事業を既存事業として審査します。
⑤建物の対象外要件の追加
「補助事業により取得した建物等を不動産賃貸等に転用することは、一切認められませんのでご注意ください。不動産賃貸等に転用された場合、目的外使用と判断し、残存簿価相当額等を国庫に返納いただく必要がございますのでご注意ください。」と記載があります。対象企業さまはご注意下さい。
⑥対象外事業や要件の追加
ーーー
「観光農園等のうち、栽培に係る経費」
➢ 再生可能エネルギーの発電を行うための発電設備及び当該設備と一体不可分の附属設備
(太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど)
※グリーン成長枠に応募する事業者においても、対象外となりますのでご注意ください。
※FIT・FIPに関連して売電を行っている場合、関連費用は一切補助対象外となります。
売電を行わない事業において、BCP等で法令上義務付けられている等、補助事業実施に
必要不可欠と判断される場合においてのみ、蓄電池は補助対象となります。
ーーー
こちら対象事業の方はご確認ください。
詳細は公募要領にて情報の確認をお願いいたします。
(事業再構築補助金公式サイト)
新規事業やDX、グリーン投資を後押しする事業再構築補助金(最大1億円)
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売り上げの回復が期待しづらい中、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するために中小企業等の事業再構築を支援することで、日本経済の構造転換を促すことが重要です。そのため、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、又は事業再編という思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援する補助金(助成金)。
補助対象要件
全枠共通必須要件
- A 事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること
- 事業者自身で事業再構築指針に沿った事業計画を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けること。補助金額が3,000万円を超える案件は金融機関(銀行、信金、ファンド等)の確認も受けること。(金融機関が認定経営革新等支援機関を兼ねる場合は、金融機関のみで構いません。)
- B 付加価値額を向上させること
- 補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0~5.0%(申請枠により異なる)以上増加させることが必要です。
成長枠
成長分野に向けた大胆な事業再構築に取り組む事業者を対象とした「成長枠」により、最大7,000万円まで支援します。
対象となる事業者
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
- 取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること
対象となる業種・業態は、事務局で指定します。(※1)
また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象となり得ます。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します。)(※2) - 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
20人以下 | 2,000万円 | 【中小企業】 1/2 (大規模な賃上げを行う場合 2/3)【中堅企業】 1/3 (大規模な賃上げを行う場合 1/2) 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。 |
21~50人 | 4,000万円 | |
51~100人 | 5,000万円 | |
101人以上 | 7,000万円 |
事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)又は継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)に同時応募可能
グリーン成長枠
グリーン分野での事業再構築を通じて高い成長を目指す事業者を対象とした「グリーン成長枠」に要件を緩和した類型(エントリー)を創設し、支援します。
対象となる事業者
- 【エントリー】
- (必須要件Bについては、付加価値額の年率平均4.0%以上増加を求める)
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当しその取組に関連する1年以上の研究開発・技術開発又は従業員の5%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
- 【スタンダード】
- (必須要件Bについては、付加価値額の年率平均5.0%以上増加を求める。)
- グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当し、その取組に関連する2年以上の研究開発・技術開発又は従業員の10%以上に対する年間20時間以上の人材育成をあわせて行うこと
- 事業終了後3~5年で給与支給総額を年率平均2%以上増加させること
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 | |
---|---|---|---|
中小 企業 | 20人以下 | 4,000万円 | 【中小企業】 1/2 (大規模な賃上げを行う場合 2/3)【中堅企業】 1/3 (大規模な賃上げを行う場合 1/2) 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。 |
21~50人 | 6,000万円 | ||
51人~ | 8,000万円 | ||
中堅 企業 | – | 1億円 |
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 | |
---|---|---|---|
中小 企業 | – | 1億円 | 【中小企業】 1/2 (大規模な賃上げを行う場合 2/3)【中堅企業】 1/3 (大規模な賃上げを行う場合 1/2) 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、②給与支給総額+6%を達成すること。 |
中堅 企業 | – | 1.5億円 |
事業実施期間中に中小企業から中堅企業へ成長する事業者等に対する上乗せ枠(卒業促進枠)又は継続的な賃金引上げに取り組むとともに従業員を増加させる事業者に対する上乗せ枠(大規模賃金引上促進枠)に同時応募可能
卒業促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対し、補助金額を上乗せして支援します。(大規模賃金引上促進枠との併用はできません。)
対象となる事業者
以下の①及び②を満たすこと
- 成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年で中小企業・特定事業者・中堅企業の規模から卒業すること(※)
(※)以下のいずれかを達成する必要があります。
- 応募時点で中小企業 → 特定事業者、中堅企業又は大企業に成長
- 応募時点で特定事業者 → 中堅企業又は大企業に成長
- 応募時点で中堅企業 → 大企業に成長
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
成長枠・グリーン成長枠に準ずる | 【中小企業】1/2 【中堅企業】1/3 |
卒業促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物や設備等を、卒業促進枠と成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
要件達成後、実績報告を提出いただき、その確認をもって補助金を支払います。
大規模賃金引上促進枠
成長枠・グリーン成長枠の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対し、補助金額を上乗せして支援します。
(卒業促進枠との併用はできません。)
対象となる事業者
以下の要件をいずれも満たすこと
- 成長枠又はグリーン成長枠に、同一の公募回で申請すること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引上げること。
- 成長枠又はグリーン成長枠の補助事業の終了後3~5年の間に、従業員数を年率平均1.5%以上(最低事業計画期間×1人の増員が必要)増員させること
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
– | 3,000万円 | 【中小企業】1/2 【中堅企業】1/3 |
大規模賃金引上促進枠の補助対象経費は、成長枠又はグリーン成長枠の補助対象経費と明確に分ける必要があります。同一の建物や設備等を、大規模賃金引上促進枠と成長枠又はグリーン成長枠との両方で対象経費とすることはできません。
要件達成後、実績報告を提出いただき、その確認をもって補助金を支払います。
産業構造転換枠
国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者にを対象とした「産業構造転換枠」にて、補助率を引き上げる等により、重点的に支援します。
対象経費に廃業費を追加し、廃業費がある場合は補助上限額を上乗せします。
対象となる事業者
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
- 過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態に属していること
業界団体が要件を満たすことについて示した場合、その業種・業態を指定業種として指定します。(指定リストは随時更新予定。)(※1)
又は、コロナ後~今後の10年間で市場規模が10%以上縮小することについて、応募時に客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で認められた場合にも対象となります。(過去の公募回で認められた業種・業態については、その後の公募回では指定業種として公表します。)(※2) - 地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
要件を満たす地域であることについて、自治体が資料を作成し、証明する必要があります。(指定リストは随時更新予定。)公募開始時に指定された地域を公表します。(※3)
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
20人以下 | 2,000万円 | 【中小企業】2/3 【中堅企業】1/2 |
21~50人 | 4,000万円 | |
51~100人 | 5,000万円 | |
101人以上 | 7,000万円 |
廃業を伴う場合には、廃業費を最大2,000万円上乗せ
物価高騰対策・回復再生応援枠
コロナや物価高等により依然として業況が厳しい事業者に対して、支援を継続します。
第9回公募までの、回復・再生応援枠と緊急対策枠を統合し、新たに「物価高騰対策・回復再生応援枠」として設置します。
対象となる事業者
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下のいずれかを満たすこと
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較しての同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 中小企業活性化協議会等から支援を受け、再生計画等を策定していること
売上高減少要件については、付加価値額(売上高×1.5)減少で代替可能
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 1,000万円 | 【中小企業】2/3 (従業員数5人以下の場合400万円 従業員数6~20人の場合600万円、 従業員数21~50人の場合は800万円 従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4) 【中堅企業】1/2 |
6~20人 | 1,500万円 | |
21~50人 | 2,000万円 | |
51人以上 | 3,000万円 |
最低賃金枠
最低賃金の引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等を対象とした「最低賃金枠」を設け、補助率を引き上げます。
「最低賃金枠」は、加点措置を行い、物価高騰対策・回復再生応援枠に比べて採択率において優遇されます。
対象となる事業者
必須要件(Bについては、付加価値額の年率平均3.0%以上増加を求める。)に加え、以下を満たすこと
- 2022年1月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、2019~2021年と比較しての同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること
- 2022年10月から2023年8月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること
従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
5人以下 | 500万円 | 【中小企業】3/4 【中堅企業】2/3 |
6~20人 | 1,000万円 | |
21人以上 | 1,500万円 |
補助金額
New! 2023年/令和5年以降は以下に変更になります。通常枠の最低金額が従業員数に応じて2,000万円から8,000万円に変更。回復・再生応援枠とグリーン成長枠、緊急対策枠が追加されました。通常枠で申請を希望される方は最低賃金枠か、回復・再生応援枠への変更か、今年度分(令和3年度 第5回公募は2022年1月に公募開始)へ応募してください。
申請類型 | 補助上限額 (※1) | 補助率 |
成長枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円 【従業員数21~50人】100万円~4,000万円 【従業員数51~100人】100万円~5,000万円 【従業員数101人以上】100万円~7,000万円 | 中小1/2 (大規模な賃上げ(※1)を行う場合2/3) 中堅1/3 (大規模な賃上げ(※1)を行う場合1/2) |
グリーン成長枠(エントリー)
| 中小企業者等 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円中堅企業等 :100万円~1億円 | 中小企業者等 1/2 (大規模な賃上げを行う場合2/3 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、 ②給与支給総額+6%を達成すること。)中堅企業等 1/3 (大規模な賃上げを行う場合1/2 事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、 ②給与支給総額+6%を達成すること。) |
産業構造転換枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数20人以下】100万円~2,000万円 【従業員数21~50人】100万円~4,000万円 【従業員数51~100人】100万円~5,000万円 【従業員数101人以上】100万円~7,000万円※廃業を伴う場合は、廃業費を最大2,000万円上乗せ | 中小企業者等 2/3 中堅企業等 1/2 |
最低賃金枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】100万円~500万円 【従業員数6~20人】100万円~1,000万円 【従業員数21人以上】100万円~1,500万円 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
物価高騰対策・回復再生応援枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員5人以下】100万円~1,000万円 【従業員6~20人】100万円~1,500万円 【従業員21~50人】100万円~2,000万円 【従業員51人以上】100万円~3,000万円 | 中小企業者等 2/3 従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4中堅企業等 1/2 従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3 |
補助対象要件 下記①、②の両方を満たすこと。(※4)
① 経済産業省が示す「事業再構築指針(https://www.meti.go.jp/covid19/jigyo_saikoutiku/index.html)」に沿った3~5年の事業計画書を作成し、認定経営革新等支援機関の確認を受けていること。(※5)
② 補助事業終了後3~5年で付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。又は従業員一人当たり付加価値額を年率平均3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させること。 (※4)
各事業類型毎に①、②の他に補助対象要件を別途設けています。詳細については、4.補助対象事業の要件を参照ください。
(※5)補助金額3,000万円を超える案件は、認定経営革新等支援機関に加え、金融機関(ファンド等を含む。金融機関が認定経営革新等支援機関であれば当該金融機関のみで可。)による事業計画の確認を受けている必要があります。認定経営革新等支援機関や金融機関は、事業所の所在地域にある必要はございませんので、任意の機関を選定してください。なお、複数の事業者が連携して申請する場合には、認定経営革新等支援機関による事業計画の確認は任意となります(補助金額が3,000万円を超える事業者については、それぞれの事業者単位で金融機関による確認を受けていることが必要となります。)。 ※卒業促進枠または大規模賃金引上促進枠に申請する場合や、補助率引上げを受ける場合は、すべての補助金額を合算して3,000万円を超える案件において、金融機関による事業計画の確認が必要となります。
業態転換(事業再構築)とは?
- 小売業
小売店舗による衣服販売業を営んでいたところ、コロナの影響で売上が減少 ⇒ 店舗を縮小し、ネット販売事業やサブスクサービス事業に業態を転換。
補助経費の例:店舗縮小にかかる店舗改修の費用、新規オンラインサービス導入にかかるシステム構築の費用など
- 製造業
航空機部品を製造している事業者が、コロナの影響で需要が激減 ⇒ 当該事業 の圧縮・関連設備の廃棄を行い、新たな設備を導入してロボット関連部品・医療機器 部品製造の事業を新規に立上げ。
ガソリン車の部品を製造している事業者が、コロナ危機を契機に従来のサプライチェーンが 変化する可能性がある中、今後の需要拡大が見込まれるEVや蓄電池に必要な特殊部 品の製造に着手、生産に必要な専用設備を導入。
- 飲食業
居酒屋を経営していたところ、コロナの影響で客足が減り、売上が減少
⇒ 店舗での営業を廃止。オンライン専用の弁当宅配サービスを新たに開始し、宅配や持ち帰りの需要に対応。
補助経費の例:店舗縮小にかかる建物改修の費用、新規サービスにかかる機器導入費や広告宣伝のための費用など
補助対象経費
建物費(建物の建築・改修等)、機械装置・システム構築費、技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、外注費(加工、設計等)、広告宣伝費・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)、研修費(教育訓練費等)等【注】補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費、不動産、汎用品の購入費は補助対象外です。
事業再構築補助金の補助金申請
審査のポイント
公募要領に記載の内容ですが、改めてポイントを確認をしておきましょう。
【事業化点】
- 本事業の目的に沿った事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。また、金融機関等からの十分な 資金の調達が見込めるか。
→特に従業員数が少ない場合など、外部リソースも含めた事業実施体制を記入する必要があります。 - 事業化に向けて、競合他社の動向を把握すること等を通じて市場ニーズを考慮するとともに、補助事業の成果の事業化が寄与するユーザー、マーケット及び市場規模が明確か。 市場ニーズの有無を検証できているか。
→業界動向や市場規模などの外部環境分析に加えて、自社のケイパビリティ(社内の経験ノウハウ、強み、弱み)を踏まえた内部環境分析から新規事業につながるストーリーを紡ぎ出す必要があります。 - 補助事業の成果が価格的・性能的に優位性や収益性を有し、かつ、事業化に至るまでの 遂行方法及びスケジュールが妥当か。補助事業の課題が明確になっており、その課題の解 決方法が明確かつ妥当か。
→スケジュールの妥当性を証明するために適切なステップ感や外部リソースも含めた実施体制とその役割分担を明確にする必要があります。 - 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性等)が高いか。その際、現在の自社の人材、技術・ノウハ ウ等の強みを活用することや既存事業とのシナジー効果が期待されること等により、効果的な取組となっているか。
→事業規模(売上、利益)にあった投資規模かつ、投資額以上のリターンが見込める事業である必要があります。
【再構築点】
- 事業再構築指針に沿った取組みであるか。また、全く異なる業種への転換など、リスクの高い、思い切った大胆な事業の再構築を行うものであるか。
- 既存事業における売上の減少が著しいなど、新型コロナウイルスの影響で深刻な被害が生じており、事業再構築を行う必要性や緊要性が高いか。
- 市場ニーズや自社の強みを踏まえ、「選択と集中」を戦略的に組み合わせ、リソースの最適化を図る取組であるか。
- 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域のイノベーションに貢献し得る事業か。
【政策点】
- 先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。
- 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。
- ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
- 地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより雇用の創出や地域の経済成長を牽引する事業となることが期待できる か。
- 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供 するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。また、異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
加点要素
①【最低賃金枠】は、加点措置を行い、【緊急事態宣言特別枠】に比べて採択率において優遇 されます。
②追加書類の提出で審査において加点されます。
・加点①: 令和3年の国による緊急事態宣言に伴う飲食店の時短営業や不要不急の外出・移動の自粛等により影響を受けたことにより、2021年1月~8月のいずれかの月の売上高が対前年(又は対前々年)同月比で30%以上減少していることを証明する書類 (令和3年の国による緊急事態宣言による影響であることの誓約書)
※緊急事態宣言特別枠に応募申請する事業者は、追加提出は不要です。
・加点②: 2021年1月~8月のいずれかの月の固定費(家賃+人件費+光熱費等の固定契約 料)が同月に受給した協力金の額を上回ることを証明する書類
※緊急事態宣言特別枠に応募申請する事業者は、追加提出は不要です。
※緊急事態宣言の発令に伴う時短営業要請等に向けた「協力金」が対象であり、家賃支援給付金や雇用調整助成金等の受給をもって加点対象とすることはできません。
・加点③: 経済産業省が行うEBPM(エビデンス・ベースト・ポリシー・メイキング。証拠に基づく政策立案)の取組に対する協力
※様式は不要です。電子申請システムにより、該当項目にチェックしていただくことで登録できます。
事業再構築補助金は継続されるのか?
2024年度の事業再構築補助金の継続については、現時点では不透明な状況です。新型コロナウィルスの影響で業績が悪化した中小企業を支援するためのこの補助金制度は、2023年度第12回公募までは継続される見込みですが、2024年度以降の継続については明確な情報はありません。
第12回公募があると予想される理由は、事業再構築補助金がこれまでのパターンとして2〜3ヶ月ごとに新しい公募を開始してきたこと、そして第11回公募が終了した後には年度内にまだ1回の公募が予定されていることから推測されます。また、過去の公募のスケジュールや締切りのパターンを考慮に入れると、第12回公募の開始は令和5年12月から令和6年1月前後、応募締切は令和6年3月前後と予想されます。
公演期間 | 応募締切 | 採択結果発表 | |
第1回 | 2021年3月26日 | 2021年5月7日 | 2021年6月18日 |
第2回 | 2021年5月20日 | 2021年7月2日 | 2021年9月2日 |
第3回 | 2021年7月30日 | 2021年9月21日 | 2021年11月30日 |
第4回 | 2021年10月28日 | 2021年12月21日 | 2022年3月3日 |
第5回 | 2022年1月20日 | 2022年3月24日 | 2022年6月9日 |
第6回 | 2022年3月28日 | 2022年6月30日 | 2022年9月15日 |
第7回 | 2022年7月1日 | 2022年10月5日 | 2022年12月15日 |
第8回 | 2022年10月3日 | 2023年1月13日 | 2023年4月6日 |
第9回 | 2023年1月16日 | 2023年3月24日 | 2023年6月15日 |
第10回 | 2023年3月30日 | 2023年6月30日 | 2023年9月22日 |
第11回 | 2023年8月10日 | 2023年10月6日 | |
第12回 |
採択結果はこちら
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.html
ただし、これらの情報はあくまで予想であり、正確な情報は経済産業省の公式ウェブサイトやその他の情報源で確認することが必要です。また、公募の詳細や要件は各回で変更される可能性があるため、最新の公募要領を確認することが重要です。
財務省は、補助金の申請が増加し、中小企業対策費が増加していることから、事業再構築補助金の終了または予算規模の縮小を示唆しています。
一方で、経済産業省は事業再構築補助金を継続したい意向があるとされています。したがって、現時点では2024年度以降に事業再構築補助金は継続する可能性があるものの、予算規模は縮小する可能性が高いと考えられます。具体的な方針や規模については、今後の予算編成の流れを注視する必要があります。
中小企業等事業再構築促進基金から1,000億円はこちらの中小企業省力化投資補助金に振替られました。中小企業等事業再構築促進基金には、残りいくら予算があるのでしょうか?
令和5年度公益法人等に造成された基金の執行状況一覧表(更新日:令和5年10月4日)によると今まで累計で2兆4000億円の予算が計上されており、令和5年3月末時点で残高は約2兆円あることから1,000億円が振り替えられたとしても予算に大きな影響はなさそうです。また、9月末時点で5600億円程度が具体的な使いみちが決まっていない状況だそうです。
中小企業等事業再構築促進基金(令和5年基金シート)
https://www.meti.go.jp/information_2/downloadfiles/2023ks28.xlsx
しかし、予算はあるものの以下の但し書きから推測されるに事業再構築補助金は何らかの見直しがされる可能性があります。財務大臣の諮問機関「財政制度等審議会」でも「事業再構築補助金」について企業の構造転換に、どこまでつながったのか検証が必要だという意見が出されています。
※なお、中小企業等事業再構築促進基金を用いて、これまで実施してきた、ポストコロナ・ウィズコロナ時代の経済社会の変化に対応するための新市場進出、事業・業種転換、事業再編、国内回帰又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、企業の思い切った事業再構築の支援については、必要な見直しを行う。
政府の基金事業において余った予算は、主に以下のような方法で取り扱われます。
補正予算の財源に回される: 予備費として計上された予算の一部が使われないまま残った場合、その予算は補正予算の財源として活用されます。
予算削減の対象となる: 先ほどの基金シートに見られるように基金事業の効果を検証する仕組みがあり、四半期ごとに支出状況や残高などが公表されます。成果が乏しい場合、予算削減も検討されます。
国庫返納: 政府は定期的に必要額を精査し、余剰資金は国庫返納するよう求めています。
これらの取り扱いは、予算の効率的な使用や透明性の確保、財政健全化の観点から重要です。しかし、一部の基金事業では非効率な運営が問題視されており、また、予算が水ぶくれし、それをまかなう多額の借金により、今後国民の金利負担が増える恐れも指摘されています。
政府は2006年に閣議決定した基金に関する基準で、過大な余剰額は国庫に返納するよう求めているが、何が過大かの線引きはなく、基金側の判断に委ねられているということです。早急な国庫返納はないとすると事業再構築補助金が継続しないまでも来年度の補正予算のタイミングで別の補助事業に振り替えられる可能性もあります。
財務省は、今後の成果目標(短期・中期・長期)等EBPMに基づき、基金事業の効果検証を行っています。
財務省と経済産業省の間で意見が分かれていることから、今後の政策の動向を注視していきましょう。